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ESD特集未来につなごう!「持続可能なまち日進」

 

 いろいろな社会課題を自分ごととして捉え、身近なところから取り組むことによって、持続可能な社会をつくっていこうとする学習や活動のことをESD(持続可能な開発のための教育)と呼んでいます。
 さまざまな分野で、現在や将来の人々が暮らしやすいまちにしていこうと、多くの方が市民活動をしています。自分の関心のあるテーマで、仲間と一緒に、楽しみながら……一人ひとりの活動が、「持続可能なまち日進」の実現につながるESDなのです。
 日進のこれからを、多くの市民のひとつひとつの思い、活動で創っていきましょう。今回は、ESDに取り組む二つの市民活動団体を紹介します。

 


 

 5月のよく晴れた第4日曜日。「天白川で楽しみ隊」の旗が風に吹かれ、青空に映える。朝9時のスタートを前に天白川の河原に参加者が続々と集まってきた。幼児から小学校中学年くらいまでの親子が多い。この日の活動は河原の植物調査と、川に入って「ガサガサ」で生き物調査、そして、ゴミ拾いだ。

 2001年3月の設立以来17年間、毎月第4日曜日、休むことなく続けられてきた「天白川で楽しみ隊」。昨年11月に第200回の開催をして、今年1月には参加者数のべ1万人を突破した。

 

 

 設立時から関わる渡邉仁司さん(87歳 東山)は日進自然観察会の会長を長きに渡り務められ、日進植物画教室も主宰する自然観察のエキスパート。「小さい子たちが自然に触れる経験ができるこの活動はとてもいいと思う。台風でも大雨でも休まなかったよ。だって、来てくれる人がいるからね!」その言葉から子どもたちとふれあう時間を大切にされている気持ちが伝わってきた。

 

 季節、天候に関わらず、ここまで続けられたその秘訣はどこにあるのだろう?
日進生まれ、日進育ちである、代表の岡田あつみさん(58歳 米野木町)は活動を始めた当初のことをこう振り返る。「『天白川のゴミ拾いをしようよ!』って誘われて。私にとっては日進がふるさと、天白川はふるさとの川。ここで育つ子どもたちにもふるさとの川で遊んだ思い出を持ってもらいたいなって思ったんです。」

 

 賛同して集まった仲間はそれぞれの得意分野を持つ人たち。みんなの得意を活かして一緒にやろう、だから、みんなで「天白川で楽しみ隊!」となった。
 岡田さん自身の経験から、スタッフにとっても参加者にとってもしばりの無い自由な会をめざしたかったという。この日の参加者からも「いつでも行きたい時に参加できる。楽しみ隊はいつも参加者のための会、みんなのための会だと感じる」という声を聞いた。「スタッフが楽しければ、参加者も楽しいはず。参加者が楽しければ、スタッフも楽しくなる。だから続けてこられたのかな」と岡田さん。

 

 

 

 

 17年間にはたくさんの出会いがあった。参加者の中には父親になった人もいる。スタッフになった人もいる。活動を始めて10年目、「僕は天白川で遊んだことがある。忙しくて今は行けないけど、またあの人たちと一緒に活動したい」と新聞に投書してくれた高校生もいた。その投書に力をもらい、「全国いい川・いい川づくり会議」にも出場。出会った人や全国の川の様子から、天白川がとても恵まれた川だと知ったという。

 

 「きれいな川や大きな川は全国にたくさんある。でも、大きな川や流れの速い川は危険で、遊べない。生活に密着している川は遊び場にはならない。でも天白川は親しめる川。生き物もたくさんいる。なんといっても、日進が源流域である天白川が郷土愛を育てることにもつながる。他の川を知ることで、あらためて天白川の良さを実感しました。」

 

 魚採りに来て、たまたま楽しみ隊に出会った家族、結婚を機に日進に戻った家族、おばあちゃんと一緒に参加するお孫さんなどもいて、ほぼ皆勤という参加者もいる。
「地域で子どもを育てるというのが理想の形。お父さん、お母さんだけではカバーしきれないことをほんのちょっとお手伝いできているかな。何かを教えるとかじゃなくて、一緒に発見して、楽しむことができたら。その日に何があるか分からない、未知の体験を共有できたらいいなと思うんです。」

 

 

 

 この日、見つけた河原の植物は52種、水辺の生き物は16種。スタッフが子どもたちとのやりとりを楽しみながら、名前や特徴、外来種はどう扱うべきか、飼育しやすいかなどを解説。また、お菓子や珈琲を用意する人、川に入っている間、参加者や荷物を見守る人、心地よさや安心感で会を支える役割を担うスタッフもいる。野外での活動では予期せぬことが起こることもあるから、毎月必ず、スタッフ会で細かいことまで打ち合わせをして活動日を迎えてきた。200回の活動には200回以上のスタッフ会。活動の継続を支えるチームワークはこうしたひとつひとつの積み重ねのたまものだ。

 

 子どもたちにとって、それぞれの得意分野を持つ大人の姿、みんなのために快く働く姿勢は憧れや将来目指したい姿と映るだろう。
 「私たちの活動の成果は形で見えるものじゃなくて、子どもたちが大人になった時にどう感じるか、心の中にあるって思っています」と岡田さん。日進のまちや自然を未来につなげていく、まさに自然体の「ESDによる人づくり」だ。

 

 

 

 

 最後に、これからのことを岡田さんに聞いてみた。
「スタッフもみんな年を重ねてきたけれど、できるだけこの活動を続けていきたい。どこまで同じことができるかは分からないけれど、今、私たちが持っているバトンを次につないでいきたいなと思っています。でも、このままじゃなくていい、形は変わってもいい、その時代に合って、次のバトンを預かる人がやりやすいようにやってくれたらそれでいい。天白川を通して、自分の育った町を好きになってもらうことを大切にしていけたら。」

 

 スタッフも同じような思い、そんな仲間が本当に大事と岡田さん。設立当初からの中心メンバーで、水中生物、魚を中心に生き物のプロフェッショナルである吉田徳臣さん(72歳 岩崎台)も「仕事も遊びも生き物にがっぷりよつ。いろんな人とつながって、本当に楽しい人生だよ!」楽しみ隊に参加していた小学生が成長して、今や仕事仲間でもあると目を細めて話してくれた。

 

 「楽しい!宝探しだね」とは初めて参加したお父さんの言葉。大人も子どもも一緒になって、みんな夢中で川に入っていた。こうして「ふるさとの川で遊んだ記憶」を持つ子どもたちは、大人になっても自分が自然と共に生きていることをどこかで覚えている。そして、自分が遊んだ川やふるさとを守っていきたいととても自然に願うだろう。持続可能なまちづくりのための地道な活動が、天白川のほとりで今月も続いている。

 

 


 

 

 

 遊ぼう~歌おう~ラララにっしん♪閑静な住宅街ににっしん体操の音楽が流れる。ここはぷらっとホーム「サンハウス東山」県道57号瀬戸大府線の東、日東東山の一角にある。毎週土曜日の朝、元気に体操をしたり、お茶を飲みながらおしゃべりを楽しむ姿がある。ぷらっとホームはぷらっと気軽に行ける集いの場だ。

 

 

 

 開設して7年、来館者数はのべ16,000人を越える。開館は毎週火曜・木曜・土曜の朝10時から13時まで。運営しているのは活動を始めて10年になる「サポート日進」だ。

 

 「一年交代の自治会では継続事業は進まない。せっかく知り合ったし、地域のために一緒にやっていこうと、当時の東山自治会役員で意気投合した仲間と、団体を立ち上げました」こう話すのは代表の角山幸弘さん(78歳 東山)。設立して最初の仕事は郵便ポスト設置の交渉だった。
 「当時、東山区に唯一あったポストが撤去されて、団地外のコンビニまで出しに行かないといけない状況でした。年配の方が歩いて行くには少し距離があってね。大変でしたよ」郵便局及び関係部署に相談に行き、再度、設置されることになったそうだ。「地域のために」が会員の思い。その思いが込められた赤いポストは、今も変わらず東山グラウンド脇に佇んでいる。

 

 ぷらっとホームを開設することになって苦労したのは場所探しだった。「空家を使わせてもらえないか聞いて回ったんですが片っ端から断られました。空家は持ち主が分らないものも多くてね。今は亡き前理事長がここの持ち主に手紙を書いてやっとお借りすることができたんです」。このサンハウス東山を拠点に、更に活動は広がっていった。

 

 

 

 

 ぷらっとホーム運営の他にも「地域の困りごとに耳を傾けて、自分たちではできない部分をサポートするのが私たちの役目」と「もしもしコール」事業を展開し、草刈りや網戸、障子の張り替えといった高齢者の多い地域で困りがちな作業を、会員のできることや得意なことでサポートしている。「パソコン、スマートフォンの困りごと相談」は第2火曜日。「孫とLINEできるようになって嬉しい」と喜びの声も聞こえる。

 

 特に力を入れているのは、防犯と防災。空き巣被害に悩まされてきた経験と大地震に備える減災を進めなければという危機感が背景にある。防犯カメラや火災警報器の設置、ナンバープレート盗難防止、家具転倒防止といった取り組みを、東山区などと連携しながら行っている。家具の固定率は68%、防犯カメラの設置数も市内でもトップクラス。日東東山自主防災会が平成29年に「防災功労者内閣総理大臣表彰」を受けるなど、サポート日進が関わる地域一体となった活動は高い評価を受けている。

 

 

 「ここに来て楽しく過ごしてもらえること、住民同士のつながりができることが私たちの一番の励み。地域の顔の見える関係は災害時に役立ちます。だから、ひとり暮らしの方をはじめ、もっと多くの方に、ぷらっとホームに来てもらえたらと思います。会員も歳をとり、いつまでこの活動ができるのか。若い方が入ってくれて次の世代につないでいけたらと思っています。私は昨年のわいわいフェスティバルのやさしいまちゾーンのキャッチフレーズ『さまざまな幸せ色が集まるやさしいまちにっしん』がとても気に入っていて、日進がたくさんの幸せが集まるやさしいまちになればと願い、これからも地域のコミュニティ作り、安心して暮らせる減災のまちづくりに努めていきたい」と角山さん。みんなが安心・安全・元気に暮らすまちづくりは、この東山で今もこれからも「一歩一歩♪」続いていく。

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