『にぎわいNEWS vol.20 特集『いろんな人に会える喜び 日進を知れる楽しみ』はいかがでしたでしょうか?
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40年前、夫の転勤で日進に移り住んだ佐藤さんは、早期退職した53歳まで生命保険会社の営業職として懸命に働いていた。その間は家庭と仕事で手一杯で、地域とのつながりはほとんどなかった。退職してみると家以外、居場所がないことに気づき驚いた。
「どうしよう、何かしたいと思っていたときに、回覧板で『折戸女性会着付けクラブ』のチラシを見て、やってみたいなと軽い気持ちで入会したんです」これが佐藤さんの市民活動の始まりだ。
『折戸女性会』の地区リーダーを務めていた頃、当時の『地女連』の会長が病気になってしまった。「その方に頼まれましてね。あなたが倒れたら困るから」と佐藤さんが後を引き継ぐことになった。最初は着付けクラブだけのはずが、今では3団体に籍を置いている。
『地女連』の会長になって3年。最初は無我夢中で、要否を見極めて不要なものはやめていこうと考えた。不要だと思うものに毎年行われる一泊研修があった。費用もかかるし、それよりももっと社会情勢だとか虐待問題だとか、やるべきことがあるのではないのか。そう思いながら参加した一泊研修で、寝食を共にするうちに考えが変わっていった。「これは必要。絆が大事。絶対にやめてはいけない。意気込んでやるよりも他の役員さんの声に耳を傾けて、一緒に歩んでいく方がいい会になる」『和を以って貴しと為す』だ。
「活動は楽しいですよ。遊び半分でやるのはだめだけど、遊び感覚で楽しくやる。いろんな人に会えるし、日進のことが隅々までわかることがおもしろいですね」
婚活で地域活性化!
『地女連』の活動の一つに『にっしん婚活応援事業』がある。
地域活性化のために始めた、10年以上続くメイン事業だ。企画から運営まで全てを行い、毎回5~10組のカップルができている。「どの子が気になるの?ちょっと待っててよー」会場では参加者の様子に目配り気配りしながら、役員さんたちは忙しそう動き回る。「来てくださる方がみんな真剣だから、何とかしてあげたいんです。だから役員みんなが世話焼きおばさんになって忙しいですよ」と笑顔で話す。
「近々、結婚される方たちがいるようで、結ばれると嬉しいですね」。今までに16組程がゴールインしているそうだ。ここでの出会いが生涯の縁を結ぶ。『地女連』の活動は人と人と、人と地域のつながりをつくっている。
大事なことはコミュニケーションと責任
『地女連』の歴史は73年と長く、昔の婦人会から始まる。当時の婦人会は、日進在住の女性は結婚すると自動的に登録された。婦人会は姑に気を遣わずに出て行ける唯一の居場所だった。集まって世間話や農作物の話をしたりして、とても活発だったそうだ。
時代とともに共働きが増えると、次第に各地の婦人会が消えていった。「解散しようかという話もあったらしいですが、解散したら終わりだからと、日進全部の婦人会を取り込んで続けてきたと聞いています」。
各地域の婦人会が点在している日進にとって、コミュニケーションは大切で、親睦会や講演会を開き、それぞれの婦人会同士の交流を図ってきた。「『地女連』は地域のコミュニケーションがいかに大事かということをずっと推進してきた団体です。今、働いている方も必ず定年がきます。そのときに地域とつながりを持っていない人たち
の受け皿を失くさないように皆で維持しながら、楽しいことや役に立つ情報を発信していきたいと思っています」
「今後は、虐待防止活動に力を入れていきたいんです。虐待をしている人がどうすれば虐待をせずにすむのか、虐待をしてしまいそうな人を止められるのか、専門的な情報を集めて発信していきたい。今、虐待をしている親を育てたのは私たちの世代なので、育てた責任を果たしていかなければと思います」。
日進にはいざというときの受け皿はある。私たちは安心して暮らそう。言動に責任を持ちながら。
佐藤さんに学ぶ生き方・生活の知恵⁈
その1 月光仮面になってみる?
子どもの頃の夢は正義のヒーロー月光仮面。高校生のとき、障がいを持つ同級生がスリッパを投げられたり、つばを吐かれたりしてイジメに悩んでいた。「私に任せなさい」と、休み時間に室長を呼び出し注意した。さらに担任の先生にも「あなたのクラスはなってない。イジメをしている」と怒ったそうだ。
それからその子へのイジメは収まり一件落着。しかしその後、矛先は佐藤さんに向けられた。文化祭で司会を勤めたとき、男子から「ばか死ね」などの罵声が飛んできた。しかし佐藤さんはそんなことに少しも臆することはなかったと言う。まさに正義の味方、月光仮面じゃないか。
その2引き受けたことには責任を持つ!
『地女連』の充て職で市議会議員などの給与について審議する『特別職給与報酬審議委員』を務めたときのこと。
「自分の意見で給与が変わるってとても責任ありますから、簡単に発言できないですよ」そこで佐藤さんは、色んな立場の方にインタビューした。「個人商店の方、若い主婦の方、学生、80歳過ぎた年配の方、皆の話をまとめてこれが皆の意見だと提出しました。中身がないことを言うだけでは違う気がして。引き受けた責任がありますから」
その3NOから入らない!
「NOからは入らないようにしています。否定から入ると、人はその時点でシャッター降ろしちゃいますよね。だから一回、受け止めてからでないと返してはいけないと思っています」
その4引き受けるなら笑顔で!
「どうせやるなら笑顔で引き受けるようにしています。例えば、子どもに頼まれたとき、最初からできないって拒否すると不満を残すだけなので、やってからあの時は大変だったと言った方が伝わります。子どもにとって、『やってくれた』その気持ちが大事なんです」
20号記念「愛知池の魅力発見!渡り蝶を通じて生物多様性を学ぶ」事業の今
2015年発行の6号から特集を組み、まちや社会の課題に取り組む団体や個人を取り上げて、その生き方や思いを伝えてきた。9号でご紹介した「6月は環境月間 環境について考えよう!愛知池に渡り蝶の来る丘を!!」のその後はどうなったのだろう?「愛知池友の会」代表の飯塚さんにお聞きした。
2015年、長年、愛知池で植物の保護や保全活動をしている「愛知池友の会」が提案した「愛知池魅力発見!渡り蝶を通じて生物多様性を学ぶ」事業が日進市に採択された。
当時、水資源機構愛知用水管理所より借りた荒れ地は、「愛知池友の会」の皆さんの尽力により、今では初秋に絶滅危惧種のフジバカマなどが咲き誇り、渡り蝶「アサギマダラ」が旅の途中、休息に立ち寄るバタフライガーデンに生まれ変わった。
毎年マーキング調査も行い、昨年10月に近藤裕貴日進市長がマーキングした一頭は、約820km離れた鹿児島県の屋久島で確認された。
「昨年はたくさんのアサギマダラが飛来しました。今年も頑張りますので楽しみにしていてください」。愛知池は生物の宝庫。今秋、アサギマダラに会いに愛知池に出かけてみては。